クロノスとカイロス

西洋占星術のホロスコープ読みを中心とした占いのブログ

2021年4月23日 火星・蟹座入り

4月23日に火星は蟹座へ 

4月23日には、火星が蟹座入りします。
火星が蟹座に滞在する期間は、4月23日から6月11日までです。

占星術には品位(エッセンシャル・ディグニティー)という考え方があります。
星と星座(サイン)の組み合わせで、たとえば、太陽は獅子座を支配していて、牡羊座では調子が良くなる、また天秤座や山羊座では調子が悪い、というようなものです。

エッセンシャル・ディグニティーについては、以前にも書いたのですが、簡単に説明すると、

エグザルテーション>ドミサイル(オウンサイン)>デトリメント>フォール

という順番でよい、悪いが決まっています。

各惑星とサインの関係や覚え方などは以前に書いた記事がありますので、ご参照くださればうれしいです。

kondatetanaka.hatenablog.com

kondatetanaka.hatenablog.com

 

その品位についての今日の本題ですが、4月23日に、火星は蟹座に入ります。
火星は蟹座では、フォールという最も悪い品位(ディグニティー)になります。

 

水瓶座土星と牡牛座天王星のスクエア

2021年2月には、水瓶座ステリウムに対して、牡牛座の火星と天王星がスクエアを形成するという厳しい星の配置がありましたが、天王星は牡牛座ではフォールという最も低い品位になりますが、火星も蟹座に入ることによってフォールになるのです。
なにかこう、共時的現象のような感じがしてきます。
フォールの位置では、その惑星は調子が今一つという感じになります。

例えば、土星天王星が2月にスクエアが形成しましたが、土星水瓶座ではドミサイル(オウンサイン)という良い品位になりますが、天王星は牡牛座でフォールという最も悪い品位になります。
通常は、外側の星(天王星)が、内側の星(土星)に影響を与えることになりますが、外側の星の品位が低く、内側の星の品位が高いので、外側の惑星の影響が出にくい、と考えることができます。
ただ、2021年には、この土星天王星のスクエアは3回形成され、最終的に土星にも影響が出る、という解釈ができ、「岩を何度もたたいて割る」「来るべき時期がこないとエクスカリバーが抜けない」というようなイメージになってくるのかもしれません。

現在、新型コロナウイルスという未曽有の出来事が起こっていますが、社会が徐々に影響を受ける、何度も影響を受けて社会が変わっていく、と解釈できます。

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Free-PhotosによるPixabayからの画像

 

火星・蟹座イングレス図

では、火星が蟹座入りのホロスコープを見てみましょう。
2021年4月23日20時51分 火星・蟹座イングレス(東京・プラシーダス)のホロスコープです。

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ホロスコープ作成:Star Navigator | ARI 占星学総合研究所

ホロスコープの概要

牡牛座に4星(太陽、水星、金星、天王星)が集まっていて、牡牛座ステリウムを形成しています。

アセンダント(ASC)は射手座5度
チャートルーラーは木星で、水瓶座28度です。
1室に星はないですが、火星が赤緯24度台後半でOOBです。

このホロスコープをぱっと見たときに、最初に目がいくのは、天頂(MC:乙女座19度)にある月(乙女座14度)と、5室に集中する星々(太陽、水星、金星、天王星)かもしれません。
特に金星と天王星が牡牛座11度でコンジャンクションを形成しています。

ファイナル・ディスポジターを見てみると、
山羊座冥王星水瓶座土星木星→牡牛座天王星牡牛座金星
蟹座火星→乙女座月→牡牛座太陽、水星→牡牛座金星
というようになっていて、魚座海王星以外は、牡牛座金星に集まっていく流れです。

チャートルーラーは水瓶座木星、ファイナル・ディスポジターは牡牛座の金星になっていて、両方ともベネフィック(吉星)です。
木星海王星とともに魚座の支配星になっていて、3月から始まっている金星と海王星の強調を思い起こさせます。

 

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Gerd AltmannによるPixabayからの画像

 

アスペクトを見てみると、太陽(牡牛座4度)とアセンダント(射手座5度)がインコンジャクトを形成しています。
太陽とアセンダントアスペクトは「自己イメージ」と関係するとされていますが、インコンジャクトはかみ合わない、ぎくしゃくする角度とされています。
自分が思い描いているセルフイメージと周囲が描いているイメージがかみ合わない、というような解釈ができると思います。

また、月(乙女座14度)と土星水瓶座13度)もインコンジャクトを形成しています。
月は生活のリズム、個人的な感情などを表しますが、その月に現実の厳しさやハードルをしめす土星がインコンジャクト(かみ合わない、ぎくしゃくする)を形成するため、感情や生活リズムと現実とがかみ合わない、といった解釈ができます。

チャートルーラーである金星は、牡牛座11度の天王星と正確にコンジャンクションを形成しています。
金星は、愛や美、感覚的な満足、経済的なことを表しています。その星の変革の星、天王星コンジャンクションを形成するため、「愛や美、経済的なこと」に関して大きな変化が起こることを暗示しています。

全体として、太陽・ASC・月がインコンジャクトを形成していて、金星が天王星コンジャンクションを形成しているので、不穏な印象をもつアスペクトが多いです。
少なくとも安定したのんびりした雰囲気は感じられません。

・火星が蟹座でデトリメントだがOOB
・太陽とASC、月と土星がインコンジャクトを形成
・金星・天王星コンジャンクション
ホロスコープの目立つ特徴ですが、 どうもチグハグなものが多い印象です。