5月12日の午前11時ちょうどに牡牛座で新月を迎えます。
月は、牡牛座でエグザルテーションという高い品位を獲得します。
新月は、太陽と月がコンジャンクションになるのですが、今回はその新月に月の遠地点リリスが重なっています。
月は地球の周りを公転していますが、その公転円は真円ではなく楕円なので、地球から見て、月が遠くにある時と近くにある時があります。
今回の新月は地球から最も離れた場所で起こる新月ということになります。
リリスについて詳しく書かれている本を読んだことはないのですが、ネットで調べるとわりとたくさんの情報がでてきます。
リリスについては、大きく分けて、ドラゴンポイントのような前世の因縁のように解釈する説や性的な嗜好、変態性と解釈する説などがあります。
では、ホロスコープを見てみましょう。
2021年5月12日午前11時00分(東京・プラシーダス)のホロスコープです。
作成:Star Navigator | ARI 占星学総合研究所
全体像
新月は、1室、牡牛座22度です。
アセンダント(ASC)は牡牛座7度。MCは山羊座23度です。
チャート・ルーラーは金星で、双子座4度にあります。
1室には、天王星、太陽、月、金星があります。
水星と火星がOOBになっています。
ファイナル・ディスポジターを見てみると、双子座13度の水星になっていて、魚座海王星が単独で存在する形(エスケープ)になっています。
最も目立つ星は、OOBで、ファイナル・ディスポジターになっている双子座の水星と言ってよさそうです。
アスペクト
新月のアスペクトを見てみると、魚座23度の海王星とセクスタイル、山羊座23度のMCとトラインの関係にあり、どちらも調和的なアスペクトです。
海王星は、良い意味では理想主義、悪い意味では幻想、夢想という意味になり、酒やドラッグなどを表すこともあります。
太陽や月とよい角度をとっていることから、理想主義や明るい未来への幻想というような意味に解釈できます。
MCは社会的到達点を表していることから、公私ともに到達点に達するというような解釈もできます。
4月に水星と火星はミューチュアル・レセプションを形成していましたが、その二つの星がOOBになるとともに、双子座水星は水瓶座土星とトライン、蟹座火星は牡牛座天王星とセクスタイルを形成します。
双子座水星と水瓶座土星の組み合わせは実務的な能力、蟹座火星と牡牛座天王星は革新的な着想、闘争的な変化という意味になりそうですが、この組み合わせも少し面白いところがあります。
双子座水星と水瓶座土星は、両方ともドミサイル(オウンサイン)でのアスペクトで力がとても強そうですが、一方で、蟹座火星と牡牛座天王星は、両方ともフォールという位置でのアスペクトになります。
双子座水星は、取引上の賢さや立ち回りのうまさ、悪く言うとずる賢さのイメージで、水瓶座土星は、個がそれぞれ連携する集団というようなイメージで、双子座水星がそれぞれ独立しながらも連携するという感じです。
一方で、蟹座火星と牡牛座天王星というのは、家庭的なところにある闘争心、変化しない場所での変革というような組み合わせで、本当にチグハグした感じのアスペクトです。
双子座水星と水瓶座土星はこれからの未来の在り方を示していて、火星と天王星のアスペクトは、そのための悪戦苦闘を表しているのかもしれません。
サビアンシンボル
サビアンシンボルでは、一般的に「鳥」は霊性、インスピレーションをしめすことが多いですが、「鳩」であることから、目に見えない存在からの知らせ、導き、と解釈できます。
「水」は感情のシンボルで、無意識や潜在意識を表すこともあります。
鳩が飛んでいるのは小さな水たまりの上ではなく、池か湖のようなある程度の大きさの水の上を飛んでいるイメージができます。
とすれば、この「水」は、集団の感情、集団的な無意識と考えることができるでしょう。
このシンボルからは、集団的な感情、集団的無意識の荒立ちをイメージすることができ、そのような状況の中で、目に見えないガイド、インスピレーションがやってくるという解釈ができます。
新月と海王星とのアスペクトは、白い鳩のイメージと重なります。
荒れた水は、火星と天王星のアスペクトのイメージです。
調和的なアスペクトが多いのですが、何かのざわめきを予感させる感じもします。