クロノスとカイロス

西洋占星術のホロスコープ読みを中心とした占いのブログ

2021年3月13日 魚座24度・新月のホロスコープ(救済のイメージ)

2月の水瓶座ステリウムと水瓶座・牡牛座スクエアからの流れ

2月12日に水瓶座新月が起こり、この時、6つの星が水瓶座に集中します。
その後、2月18日の土星天王星がスクエアというアスペクトを形成し、同じの夕方に、太陽が魚座に移動し、水瓶座ステリウムを形成する星が一つ減ります。 

2月25日には、金星も魚座に移動します。
金星が魚座に移動することによって、2月1日に金星が水瓶座に入ってから形成されていた水瓶座金星と牡牛座天王星のミューチュアル・レセプションの関係が解消され、今度は、ファイナル・ディスポジターが魚座海王星になります。 

3月に入ると、4日に火星が双子座に移動し、水瓶座と牡牛座のスクエアも解消されていきます。
2月に形成されていた水瓶座ステリウムと水瓶座と牡牛座のスクエアが少しずつ緩んでいく流れです。
その流れの中で、3月13日に魚座24度で新月を迎えます。 

それでは、新月ホロスコープを見てみましょう。

 

2021年3月13日19時21分のホロスコープ(東京・プラシダス)

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ホロスコープ作成:Star Navigator | ARI 占星学総合研究所

 

魚座24度での新月になります。
アセンダント(ASC)は天秤座14度。
チャート・ルーラーは金星で魚座20度です。
ファイナル・ディスポジターは海王星魚座21度)です。
1室に星はなく、OOB天体はありません。

星の品位を見てみると、
金星が魚座でエグザルテーション、土星海王星がドミサイル(オウンサイン)の位置になります。

(今回からトランスサタニアン(土星以遠の)惑星は、ドミサイル(オウンサイン)とデトリメントのみを参考にします。)

 

このホロスコープで目立つのは、
・品位がエグザルテーションになっていて、チャート・ルーラー(ASCの支配星)になっている金星
・品位がドミサイル(オウンサイン)になっていて、ファイナル・ディスポジターになっている海王星
と言えます。

そして、この二つの星が魚座20度と21度にあり、オーブ1度でコンジャンクションになっているのが特徴的なホロスコープといえるでしょう。

また、新月魚座24度で、この金星・海王星コンジャンクションとは、オーブがそれぞれ4度、3度になっており、魚座20度~25度の範囲を強調しているように見えます。

次にアスペクトを見てみましょう。

 

太陽・月とのアスペクト

新月なので、太陽と月はコンジャンクションの関係になっていて、魚座24度にあります。
アスペクトを見てみると、水瓶座27度の水星と30度(セミセクスタイル・オーブ3度)になっていますが、マイナーアスペクトでオーブも大きいため、考慮しなくてもいいかもしれません。
目立ったアスペクトはないように見えます。

 

ASCのアスペクト

アセンダント(ASC)は、天秤座14度です。
ドラゴンポイントがそれぞれ射手座14度と双子座14度にあって、60度(セクスタイル)と120度(トライン)を形成しています。

 

チャート・ルーラー金星のアスペクト

チャート・ルーラー金星は魚座20度にあります。
ファイナル・ディスポジターの海王星魚座21度)とオーブ1度でコンジャンクションになっています。
水瓶座20度の木星とは、セミセクスタイルの関係になっています。
全体的に、ウエット(湿)を感じさせるアスペクトという感じがします。

マイナーアスペクトですが、金星と木星がコンタクトしていることと、新月コンジャンクションになっている、ファイナル・ディスポジターの海王星ともコンジャンクションになっている、ということで、幻想的なイメージのアスペクトで、月光と霧に包まれた静かな夜というようなイメージを私は持ちました。

 

ホロスコープの全体的な印象は、幻想的、救済、吉凶でいうと吉、湿った、温順な、という感じがします。
そういえば、先日、ボルヘスの「伝奇集」という本を読んだのですが、面白い一文があったので、ご紹介したいと思います。

 

「現代の」ことばや方言がそれから派生したと推定されるトレーンの祖語(ウルスプラシュ)には、名詞は存在しない。副詞的な価値を有する単音節の接尾辞(もしくは接頭辞)で修飾される、非人称動詞が存在する。一例だが、月(ルナ)に相当する単語はないが、スぺイン語でなら月にする(ルネセル)か月する(ルナル)に相当すると思われる動詞がある。月は河の上にのぼった、つまり逐語的に訳せば、上方に(アップロード)、背後に、持続的に流れる、月した、といわれる。

以上は南半球の言語についての話である。北半球の言語ーその「祖語」にかんしては、第十一巻にはごくわずかな資料しかないーにおいては、基本的な単位は動詞ではなく、単音節の形容詞である。名詞は、形容詞の積み重ねによって造られる。人々は月とは言わない。暗い=円い、上の、淡い=明るいとか、空の=オレンジ色の=おぼろのとかいう。(「トレーン、ウクバール、オルビス、テルティウス」23ページ)

出典:ボルヘス「伝奇集」 

伝奇集 (岩波文庫)

 なんとなく、占星術のイメージを説明するときの感じと似ているような気がします。

 

強力な金星と海王星アスペクトが目立つ

アスペクトから総合して考えると、金星(チャートルーラー・エグザルテーション)と海王星(ファイナル・ディスポジターでオウンサイン)のコンジャンクションは、かなり強力な形といえます。

幻想的な美しさ、幻想的な愛、というようなイメージがあります。新月がそれを強調するかのようです。

秘教的な占星術では、海王星は金星の1オクターブ高い惑星とされていて、親和的な関係の星同士です。この両方の星は、「愛」を示しめしていることから、高次のスピリチュアル(魂的)な愛を示しているとしている書籍もあります。(参考:鏡リュウジ占星術の教科書Ⅲ)

鏡リュウジの占星術の教科書III:深く未来を知る ステップアップ編

 

金星・魚座20度のサビアンシンボル

sutakuro.com

 

この度数は、不特定多数の人に無償で何かを提供する、という意味合いのある度数で、金星と海王星コンジャンクションの意味(高次のスピリチュアルな愛)と合致しています。

いわゆるレゾナンス(共鳴)というもので、ホロスコープの中で、様々なものが同じことを指し示している場合のことを言います。

全体のイメージとしては、「救済」というイメージがぴったりです。

 

これまでの流れ

9/22 秋分 心を開放する
10/17 天秤座新月 目に見えないもの(幻想的、霊的、スピリチュアルなもの、無意識)、救済
11/15 蠍座新月 調整が終了する。我が道を行く(常識を超える)、目に見えない世界の力が現実世界に降りてくる
12/15 射手座新月 目に見えない世界に関する秘密の知識。山羊座的な価値観(組織、社会)の取捨選択
1/13 山羊座新月 本格的な変化の始まり
2/12 天秤座新月 本格的な変革の時
3/13 魚座新月 救済

  

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Peter HによるPixabayからの画像