先日のブログで、クリスマスは、もともと冬至祭だった、という内容のブログを書きました。
冬至は、太陽が地上に出ている時間が最も短い日です。
つまり、太陽の力が最も弱くなり、そこからまた力が徐々に強くなり、夏至で最高潮を迎え、また少しずつ弱くなっていくという、円環的な時間の流れです。
クリスマスには、クリスマスツリーという木が飾られます。
クリスマスツリーのてっぺんに飾ってある星は、「ベツレヘムの星」という、聖書に出てくる東方の三賢者を、イエス・キリストが生まれたベツレヘムに導いた星、だというのはわりと有名です。
(この星は、グレートコンジャクションを意味しているのだ、という説もありますが、本当かどうかはわかりません。)
星以外にも、クリスマスツリーという木自体にも意味があるのだそうです。
わかりやすくまとめてある文章を見つけたので、ご紹介したいと思います。
木の象徴的意味について。
楽園の中心に茂る木は、もう一本あった。生命の木である。生命樹に対する信仰は広く分布している。その背景には、極度の乾燥や寒冷に耐えて常緑を保ったり、ほとんど枯死しているかに見えて季節がくれば必ず芽吹いたりする、樹木の驚くべき生命力への畏怖があった。
有名な例はクリスマス・ツリーである。キリスト教以前、それは冬至の祭りの主役だった。冬至の祭りは、衰えきった太陽に常緑樹のような生命を取り戻させる再生の儀式である。
木はそもそも神の宿るもの、神の降りる依り代である。そのとき、木は世界の中心となる。その中心性が強調される場合は、世界樹、宇宙樹と呼ぶ。
出典:無意識と出会う ユング派のイメージ療法—アクティヴ・イマジネーションの理論と実践1
冬至祭の中心は、クリスマス・ツリーで、その木は真冬でも常緑なので、「生命力の象徴」となっていた。
冬至祭は、太陽に生命力を取り戻させる「再生の儀式」だった、とすれば、処刑後に復活したイエス・キリストと結びついていった理由もよくわかるような気がします。
引用した文章の最初にある「楽園」というのは、聖書に出てくる「エデンの園」です。
エデンの園の中心には、「善悪の知識の木」という木と、「生命の木」という二本の木があったと聖書に書いてあります。
「善悪の知識の木」の実を、アダムとエバが食べてしまったので、エデンの園から追い出されて苦労する、という話は、世界的に有名なのですが、「生命の樹」というのは、一般的にはあまり知られていないような気がします。
聖書ではあまり目立たない扱いの「生命の樹」は、カバラのセフィロトの木とも関係があって、タロットと関連付けられている本があるのですが、私もなかなかその意味は理解できていません。なかなか秘教的な深いものがあるのかもしれません。