2020年6月28日から約6カ月にわたって牡羊座に滞在していた火星が、牡牛座に入ります。
2020年の惑星の動きの特徴として、
② 金星が双子座に長期滞在(2020年4月4日~2020年8月8日)
③ 火星が牡羊座に長期滞在(2020年6月28日~2021年1月7日)
というものがあったのですが、
①木星、土星は山羊座から抜けていき、③火星も牡羊座から牡牛座に入ってきます。
2020年の終わりの動きと言ってもいいかもしれません。
火星の牡牛座滞在は、1月7日(7時24分)から3月4日(12時29分)までの約2ヵ月になります。
2020年1月7日7時24分(東京・プラシーダス)のホロスコープを作ってみました。
ホロスコープ作成:Star Navigator | ARI 占星学総合研究所
1室に、冥王星、水星、土星、木星(1室のステリウム)があります。
OOB天体はありません。
ファイナル・ディスポジターを見てみると、牡牛座天王星・射手座金星・水瓶座木星のループになっていて、魚座海王星がエスケープです。
このホロスコープの特徴は、
① アセンダントが山羊座25度で、冥王星がアセンダントとコンジャンクションになっている。
② 1室に山羊座冥王星、水星、水瓶座土星、木星があり、1室に星が集中している。
という点だと思います。
① ASC山羊座25度、冥王星とASCの合
25度はそのサインの完成を示す度数です。そこに冥王星(生と死・ハデス)があるので、「土星山羊座期間(2017年12月~2020年12月)の終わり」、さらには「土の時代(1842年~1980年、2000年~2020年)の終わり」という意味を強めているように見えます。
冥王星は、「異常なほどの強さ」というイメージがあるので、アセンダント(他人から見た自分を意味する)と合になると「傑出していた人物」という意味もあるようです。
これは、異質なもの(東洋の布)を持ち込んでくる人(商人)という意味になります。
山羊座は蟹座とオポジションの関係にあり、蟹座は家庭を、山羊座はそれが拡大された形の組織や社会を表しています。
蟹座は排他性も表すことがありますが、組織や社会を表す山羊座も同様の排他性を持っていることが多いといえます。
この山羊座の完成度数では、排他性ではなく、「異質なものを持ち込む多様性」がキーワードになっているのが、興味深いところです。
陰極まれば陽となる。「排他性」を極めると、「多様性」になる。
価値観や振る舞いの原理というのは、振り子のようなものなのかもしれません。
チャート・ルーラーの土星は、水瓶座3度「海軍からの脱走兵」です。
占星術では、エレメントの水は「感情」を表します。海は、水が大量にあるので、「集団の感情」や「集合無意識」と考えるようです。
聖書などでも「海」は、波があって不安定で、とりとめがないものとして書かれていることが多く、「感情」、とくに「集団の感情」を表していることがあります。
松村潔先生の「サビアン占星術」では、海は「集団の感情」をあらわし、海軍はその「集団の感情を制御しようとする集団性」だと解説されています。
「海軍からの脱走」は、この感情を制御しようとする集団性からの脱退を意味しているのだそうです。
山羊座25度では、集団的な排他性が極まると多様性になる、という不思議な原理があることがわかりますが、水瓶座3度では、この集団的な排他性から逃亡します。
集団的統制の崩壊、と読めるかもしれません。
② 1室に山羊座・水瓶座にある4星が集中している
山羊座25度に冥王星、山羊座28度に水星、水瓶座3度に土星、水瓶座5度に木星と山羊座の最終度数と水瓶座の最初の度数に4つの星があり、その部分が1室となっています。
通常、1室の星は力が強いとされているので、これらの星が強調されていると言えます。
山羊座の終わりから、水瓶座の最初に星がある点を考えると、「山羊座土星から水瓶座土星への移り変わり」や「土のサインから風のサインへの移り変わり」を示していると解釈できます。
また、火星が牡牛座に滞在する1月7日から3月4日の期間は、水瓶座ステリウムが形成される期間と符合しています。
水瓶座ステリウムの形成過程を見てみると、
1月 8日 水星が水瓶座入り(3星)
1月20日 太陽が水瓶座入り(4星)
2月 1日 金星が水瓶座入り(5星)
2月18日 太陽が魚座入り(4星)
2月25日 金星が魚座入り(3星)
3月16日 水星が魚座入り(2星)
となっていて、火星が牡牛座に滞在する期間は、水瓶座ステリウムが形成される期間と重なってきます。
このことから、もしかすると、この水瓶座ステリウムは、牡牛座火星的な意味合いを持っているのかもしれないな、と思いました。
牡牛座の火星は、地のサインの火星になるので、深いところからパワーを掘り出す、というイメージになり、そのためには、極限まで行く必要がある、という内容のことが、松村潔先生の「火星占星術」という本に書いてあります。
火星占星術講座 ~火星エネルギーを使いこなして人生を元気にする~
水瓶座のステリウム(変革、革命、平等)と牡牛座の火星(頑固、強情、忍耐)は、「極限を試される局面」を意味しているのかもしれません。