クロノスとカイロス

西洋占星術のホロスコープ読みを中心とした占いのブログ

2021年2月25日 金星魚座入り

水瓶座ステリウムと魚座ステリウムを形成

2月18日に土星天王星がスクエアを形成し、同じの日の夕方に太陽が水瓶座から魚座に移動します。
2月21日には水星は順行に転じて全天体順行になり、2月25日に、金星が魚座に入ります。
これで、水瓶座から太陽と金星が抜けていくので、水瓶座ステリウムを形成する星は、水星、木星土星という形になります。 

魚座には、海王星がもともといるので、太陽と金星が入ることによって、3星が魚座に入ることになり、魚座ステリウムが形成されていることになります。
3月半ばに、水星が水瓶座から魚座に移動するまでの間は、水瓶座ステリウム(水星、木星土星)と魚座ステリウム(太陽、金星、海王星)が形成されることになります。
流れとしては、水瓶座への強い星の集中から、魚座への少し強い星の集中に移り変わるイメージになります。
大きな流れとしても、2021年には、木星が一時的に魚座に滞在し、魚座の支配星である海王星と副支配星の木星魚座に同時に滞在することになり、この動きは2022年に本格化します。
水瓶座の大きな変革から、癒しの魚座の力が徐々に大きくなっていく流れがイメージできます。

 

ファイナル・ディスポジターが魚座海王星

木星土星水瓶座にあるため、ファイナル・ディスポジターを見るためには、天王星の位置、金星の位置が重要になっていきます。
金星が水瓶座にある間は、金星と天王星のミューチュアル・レセプション(支配星を交換し合う形)でした。
金星が魚座に入ると、牡牛座天王星魚座金星→魚座海王星という流れができ、海王星の影響力が大きくなってくることが考えられます。
また、金星は魚座でエグザルテーション(高揚)になり、高い品位になります。

 

金星・魚座イングレス(2021年2月25日22時11分)のホロスコープ

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ホロスコープ作成:Star Navigator | ARI 占星学総合研究所

(2021年2月25日22時11分・東京・プラシーダス)

 ASC(アセンダント)は、蠍座6度。
チャートルーラーは、冥王星山羊座26度。
副ルーラーは火星で、牡牛座27度です。
1室に星なしで、OOB天体もないようです。

ファイナル・ディスポジターを見てみると、10天体すべてをまとめているのが、魚座海王星になり、これまでとはかなり雰囲気が違っています。
品位を確認しておくと、金星は魚座でエグザルテーション、火星は牡牛座でデトリメント、土星水瓶座でオウンサイン、天王星は牡牛座でフォールになっています。 

最近のホロスコープの特徴として、山羊座の最終度数(冥王星が位置する)から、牡牛座の最終度数(火星が位置する)の間にすべての星が入っているので、ホロスコープで見ると、どちらかの半球に星が集中している、ということです。
このホロスコープも大半の星が右側(西半球)にあります。

アスペクト

ASCと天王星オポジションの軸 

ASC(蠍座6度)に対して、天王星(牡牛座8度)で、オポジションです。
このオポジションの軸に対して、魚座8度の太陽は調停の位置にあります。
一方、この時期に対して、水瓶座9度にある土星はそれぞれに対して、スクエアの位置にあり、Tスクエアを形成しています。 

水瓶座9度に土星魚座8度に太陽、牡羊座8度にカイロン、牡牛座8度に天王星と、連続する4つのサインの8度前後に星があります。

 

月のアスペクト

獅子座14度の月で、MCは獅子座11度なので、オーブ3度でコンジャンクションです。また、獅子座14度の月に対して、水瓶座13度の水星がオーブ1度で、水瓶座16度の木星とオーブ2度で、オポジションです。

 

チャート・ルーラーのアスペクト

山羊座26度の冥王星と牡牛座27度の火星が、トラインです。
この二つの星は、星が半球に集まっている始点と終点となっています。
火星と冥王星アスペクトは、「不屈のパワー」のようなイメージです。

  

個人を示す惑星が不動宮から柔軟宮に

ホロスコープ全体を見ると、太陽、水星、金星が水瓶座(不動宮)から、魚座(柔軟宮)に、火星も牡牛座(不動宮)から、双子座(柔軟宮)に移動します。
木星より内側の星すべてでそのような動きが起こります。
ホロスコープの星がDES側に偏っているところをみると、社会の動きをうけて、個人が変わる(今までのあり方が崩れるイメージ)が思い浮かびます。
DESにある天王星も、周りの動きをうけて変わる、というイメージが持てます。
それを太陽(個人が目指すイメージ、セルフ)が調停する形なので、これも、社会の変化にあわせて個人がかわる、と読めます。
MCに月があるところからしても、個人の感情が動きの要になりそうです。 

水瓶座ステリウムからの流れで見てみると、社会に大きな変革の波が押し寄せて、社会に影響をあたえるが、木星土星天王星が固定宮にあるので、まず個人の今までのあり方が変わる、と読めます。
また、徐々に魚座が強調される動きになっていくことから、大変革のあとの癒しのような動きも読めます。

 

チャート・ルーラー冥王星山羊座26度

山羊座26度のサビアン・シンボルは、「水の妖精」(A water sprite)です。

sutakuro.com

 

金星魚座イングレスで、ファイナル・ディスポジターは海王星なので、「水」がポイントになっていそうです。
「水」は感情を表しています。そういえば、ホロスコープMCに月(個人の感情)がありました。
サビアンシンボルの話に移ると、サインの25度は、そのサインの資質の完成度数で、26度から30度は次のサインへの移行準備期間とされています。
この「水の妖精」も、変化のあり方を示しているのかもしれません。
先日、「ウンディーネ」という水の妖精に関する物語を読みました。

ウンディーネ (小説) - Wikipedia

街を離れて森の先の岬に住んでいた夫婦の子供は、湖に落ちていなくなってしまうのですが、代わりにかわいい女の子が家にあらわれます。その子を育てていくと、騎士が表れて、ウンディーネは結婚する、という物語です。
ウンディーネは、水の世界の生き物なので、人間が深刻な事態に陥っていても、あまり気にしない、というところがあるのですが、結婚後はなんとか人間世界に合わせようとします。
しかし、水の世界の親戚や人間たちが次々にそれの邪魔をする、という流れです。 

変化の最初は、意図して変化が始まるものではなく、その人やその物が持つ資質や、物事の流れで、変化が始まっていくことを表しているような感じがしました。 

下の絵は「ウンディーネ」という本の、アーサー・ラッカムという有名な挿絵作家のものですが、「著作権切れ」らしいので、載せてみました。

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ウンディーネ