クロノスとカイロス

西洋占星術のホロスコープ読みを中心とした占いのブログ

2021年2月18日 土星・天王星スクエア形成時のホロスコープ

先日、水瓶座ステリウムの星々と牡牛座火星・天王星のスクエアについて書いたのですが、もう一度、形成過程を見ておきましょう。

 

火星のスクエアの形成過程

1月 7日 火星 牡牛座入り
1月 9日 水瓶座・水星(順行)スクエア
1月13日 水瓶座土星 スクエア
1月21日 天王星コンジャンクション
1月23日 水瓶座木星 スクエア
2月 1日 水瓶座・太陽 スクエア
2月10日 2回目・水瓶座・水星(逆行) スクエア
2月20日 水瓶座・金星 スクエア
3月 4日 火星 双子座入り
3月24日 3回目・魚座水星(順行)スクエア

 

天王星のスクエアの形成過程

1月12日 水星 スクエア
1月14日 天王星 順行開始 
1月18日 木星 スクエア
1月21日 火星とコンジャンクション
1月26日 太陽 スクエア
2月 7日 金星 スクエア
2月18日 土星 スクエア

 

水瓶座ステリウムは、2月18日19時44分に太陽が魚座に移動することで、ステリウムを形成している星が1つ減り、ピークを越します。

ただ、太陽が魚座に移動する15時間ほど前に、もう一つ大きな星の動きがあります。それが、土星天王星のスクエア」なのです。

 

2月18日の流れとしては、
4時11分に土星天王星スクエア形成
19時44分に太陽・魚座イングレス
となっています。
水瓶座ステリウムを締めくくる動きになっています。

 

2021年に3回起きる土星天王星スクエア

土星天王星のスクエア・オポジション・コンジャクションは、ほぼ10年ごとに起きる星の動きです。 
この星の動きは、天体の中でも最も厳しいアスペクトの一つだと考えられています。
土星は、「社会、組織、規範、教師、父親」などを示す星で、天王星は「変革、革命」を表す星です。

この社会を示す星と変革を示す星が厳しい角度を形成すると、社会体制が激変したり、行動規範が大きく変わったりする、という意味のアスペクトになるのです。 

2021年には、この土星天王星のスクエアが3回形成されます。
土星天王星のスクエアは、水瓶座ステリウムと並ぶ、2021年の特徴的な星の動きの一つです。
土星天王星が正確にスクエアを形成するのは、2月18日、6月15日、12月24日です。

2021年 星の動きの特徴

 

2月18日4時11分のホロスコープ

では、2021年2月18日(4時11分)のホロスコープを見てみましょう。

 

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ホロスコープ作成:Star Navigator | ARI 占星学総合研究所

 

多分、最初に目が行くのは、「MCとPoFというのが重なってるな」というところかもしれません。そのあと、「あれ、ICに月と天王星コンジャンクションだな」というところかもしれません。

アセンダントは、山羊座17度。
チャートルーラーは土星水瓶座8度です。

1室に山羊座冥王星水瓶座土星、水星、木星、金星がありますが、太陽が2室に入っています。OOB天体はありません。

ファイナル・ディスポジターは、水瓶座金星と牡牛座天王星で、ミューチュアル・レセプションの関係になっています。

この動きは、金星が魚座に抜けるまで続きます。

海王星は相変わらず単独にある形になっています。

 

アスペクト

月と天王星とIC(天底)が合

太陽には目立ったアスペクトは形成されていません。
月は、天王星コンジャンクションになって、MCとオポジションです。
MCは蠍座8度、月・天王星は牡牛座8度で、正確なコンジャンクションオポジション(ICとはコンジャンクションになっています。

2月1日の金星が水瓶座入りして、水瓶座ステリウムを形成していた時も、金星がICとコンジャンクションの関係にあったのですが、今回は、月・天王星がICにあります。

2021年2月1日23時4分 金星・水瓶座イングレス時のホロスコープ

 

ここのところ、IC(天底・北中点)を強調するホロスコープが多いような気がしています。ICは4室の始まるところで、アセンダント春分にとった場合、蟹座の始点となり、「夏至」を表す点です。

また4室は、蟹座と同じような意味を示す領域になるので、家、家庭、家族愛などを表します。そこに蟹座の支配星である月が、天王星コンジャンクションになっています。

「月と天王星がコンジャクションだったホロスコープが確かあったな」と思って調べてみたのですが、2020年10月31日の牡牛座満月のときも、月と天王星コンジャンクションになっていました。

2020年10月31日 牡牛座満月のホロスコープ

 

月と天王星コンジャンクションは、ネイタルのホロスコープでは、マイペース感や独自のリズムを表す度数とされています。
動きのあるホロスコープでの意味を、私なりに膨らませてみると、月は「私の本来的な心」、天王星は「変革」と考えると、「私の本来的な心の在り方が大きく変わる」という意味にもなってくるかもしれません。
天王星とICのコンジャンクションは、「突然の運命の逆転」を表すとしている本もあるようです。

 

土星天王星・月のスクエア

今日の記事のメインである、土星天王星コンジャンクションですが、これには月も加わってきます。
つまり、土星はMCとICに対して、それぞれスクエアの位置にあります。
「月と土星」のスクエアは、個人の気持ちを制限する、「MCと土星のスクエア」は、MCは社会的到達点をしめすので、それに土星がスクエアすると、社会的到達を制限するという意味になってくるかもしれません。

正確に、「MC・土星天王星と月のTスクエア」の形になっています。

 

サビアン・シンボル

このTスクエアになっている点のサビアン・シンボルも見てみました。
牡牛座8度、蠍座8度、水瓶座8度です。
MCには実際には星がないのですが、ネイタルのホロスコープ蠍座8度と獅子座8度に星がある方は、固定宮のTスクエアやグランドクロスを形成することになります。

 

牡牛座8度 雪と一緒にいないソリ

牡牛座8度(天王星・月オポジション)は「雪がまだ降っていない時期のソリ」というサビアン・シンボルです。sutakuro.com

これは「用意周到さ」「先見」をあらわすサビアン・シンボルと解釈されることが多いようです。イメージが具体的なので、わりとわかりやすいシンボルかもしれません。

松村潔先生の「サビア占星術」では、「雪といっしょにないソリ」(A sleigh without snow)とされています。

愛蔵版 サビアン占星術 (エルブックス・シリーズ)

 

英語では、A sleigh without snow というシンボルらしいのです。
without snowは、「雪がない」という意味なので、sleighが「そり」を表していそうです。調べてみると、英語のそりは、「sled」と「sleigh」があるらしく、説明としては以下のようになっていました。

 sleighはスキーの様な2枚の板に乗っている、大きくて箱型の屋根がない乗り物で、雪や氷の上で人が移動に使えます。

'sleigh'と'sled'の主な違いは'sleigh'はたいていの場合、馬(もしくはサンタクロースなら鹿)に引かれる事です。

そりって英語で何て言うの?そりの種類から例文まで紹介! - ネイティブキャンプ英会話ブログ

 

なので、ちょっとしたそりではなくて、ほとんど馬車みたいなそりなんだな、ということがわかりました。その大きなそりは、どこかからどこかへと移動するという「大きな変化」のために、すでに準備されている、という意味なのかもしれません。

 

蠍座8度「湖面を横切って輝く月」

牡牛座8度とオポジションの関係にあるのは、蠍座8度です。
ホロスコープでは、MC蠍座8度でPoF(part of fortune、幸運位)は蠍座9度になっています。この180度の関係は、鏡の関係にあるとされています。

牡牛座8度が「見る私」だとすると、蠍座8度は「見られる私」という関係になります。松村潔先生の「サビア占星術」では、「人が薔薇を見る時、180度の度数というのは、薔薇が自分をどう見ているかということを表すのです。」と書いてあります。

愛蔵版 サビアン占星術 (エルブックス・シリーズ)

 

サビアン・シンボルは「湖面を横切って輝く月」です。

sutakuro.com

 

「湖面の月」や「水月」というのは、いろいろなものにたとえられますが、水面を心を見立てる話を聞いたことがあります。

水面(心)が揺れていると、水面には、月はありのままには映りません。心が静まって、はじめて月は水面のありのままに移る、という内容の話です。

松村潔先生の「サビア占星術」では、このサビアンシンボルを第三者意識として捉えるというようなことが書いてあったのです、この湖面の月の話から、観察者としての意識を表している、とも言えます。

ここでもう一度上のホロスコープを見てみると、蠍座8度の対面には、牡牛座8度の月と天王星があります。その鏡関係の蠍座8度のサビアンシンボルは、「湖面の月」を表しているのです。

「心を穏やかにして、変化の意味を正しく解釈することに幸運のカギがある」ということなのかもしれません。

 

水瓶座8度「美しい衣装を着た蝋人形」

sutakuro.com

 

イメージとしては、人工的なモデル、といういかにも水瓶座的なものかもしれません。水瓶座は、生身の人間ではなく、機械やフィギュアなどの理想形を追求するイメージがありますが、この「非人間的な理想の追求」というものが、天王星と月からスクエアを受ける、ということかもしません。
また、このサビアン・シンボルも「見る、見られる」というような意味合いがあるようです。

 

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