火雷噬盍
邪悪なものを罰する
稲妻が一瞬暗闇を照らし竜が大空に舞い上る。光と音が重なってあたりをふるわす。口の中に邪魔者がある時には噛み砕くよりほかはない
山火賁
飾り立てる
山のふもとに野火が燃える。輝く野火の飾りをつけたように、山は明るくきわだつ。大自然が自らを飾る美しさ。しかし山あいの火は遠くからは見えない
山地剥
侵食される
地をはうような低い山。山頂はけずりとられて、のびられない。ごつごつと山肌は荒れ、斜面は狭い。この山に登ってもいいことはない。今は静かに時を待つばかり
春が立ち帰る
大地の下から伝わるかすかな動き。冬至をすぎれば外は寒くても、地下に埋もれた種はふくらむ。一陽来福。厳しい冬の最中でも春の気配が静かに戻る。
天雷天妄
偽りなき道を行く
稲妻が雲に映えて、広大な天に雷鳴がとどろく。大自然の力はとどまることを知らない。天地は素朴な力と喜びに満ち、限りない創造の力を生む
山天大畜
力を蓄える
静かな山はその中に宇宙の歴史を秘めている。山は自分では語らないが、人類の歴史を知っている。沈黙の中にこそ豊かな知識がつもる。
山雷頤
自分を養う
山の麓に雷鳴がとどろき、あらゆるものが芽を吹き、山野がいっせいに奮い立つ。今は自分を養うとき。そしてまた人を養うときだ
沢風大過
大きな重荷を背負う
台風一過。湖の水が流れる。空はあくまでも青く澄み、溢れた水が芝地や木々を覆う。ひとり我が道を行くものは過ぎた行為を恐れない。
坎為水
落とし穴に落ちる
水は絶え間なく形を変えてあらゆるくぼみを満たしながら最後は大洋に流れ込む。青々と水をたたえた底知れない淵は、無限の知恵を秘めている
離為火
正しいものにつく
日が昇り、日が沈み、また日が昇る。日の光が空に満ちて大空も地上も黄金色に輝く。太陽は宇宙の運行にしたがって動く。正しい。光輝くものこそ美しい