クロノスとカイロス

西洋占星術のホロスコープ読みを中心とした占いのブログ

占いとシンクロニティー(共時的現象)その2

人間に観測できる法則と観測できない法則

私がユングに関する本で、最初に読んだのは、「ユング共時性」という本でした。

ユングと共時性 (ユング心理学選書)

 

目に見えないものや占いなどに関心がなかった頃は、ユング共時性(シンクロニティー)、偶然の一致のような話を読んでも、イマイチ何の話なのかわからなかったのですが、「暗在系と明在系」の話は、これは面白い話だな、と思ったのを覚えています。

 

「暗在系と明在系」というのは、ボームという科学者が提唱した考え方です。

簡単にまとめていうと、「法則には、人間に観測可能な明在系と、人間に観測不能な暗在系がある」という考え方です。

 

一般に、因果関係や因果律という考え方があります。物事には原因があって、結果が生まれるという考え方です。

因果の流れとは、たとえば、大雨が降れば、川が増水して、洪水になる、というような、原因と結果の流れのことです。

この因果の流れには、人間に見える流れと見えない流れがあるのかもしれない、という考え方です。

 

共時性(シンクロニティー、意味のある偶然)について考えてみると、ただの偶然の連鎖には意味があるかもしれないが、その法則性は人間には観測できない暗在系に属している、ということになります。

ただ、人間に観測不能な系の法則で、観測することも証明することもできないので、それが絶対にあるんですか?といわれると、それは、「その人があると思えばあるだろうし、ないと思えばないだろう」というような答えになってしまうかもしれません。

 

これは「偶然の一致」や「虫の知らせ」のような物事にも言えることで、「あると思えばあるし、ないと思えない」ということかもしれません。

ただ、逆のことも言えるのです。

宇宙のすべての法則(因果)は人間に観測可能なのである、という考え方が正しいのか、ということです。

宇宙のすべての法則に人間に観測可能である、ということは証明しようがないのです。なぜなら、観測不可能な系があったとしても、そもそも人間に観測不能である以上、認識することが不可能だからです。

 

占いと共時性(シンクロニティー

今読んでいる本に、とても興味深いところがあったので、ご紹介したと思います。

 

占いは、この原理(共時性)にそってなされる行為の代表だろう。占いは本来、宇宙大の運行の状況を読み取り、もって小宇宙たる人間の進むべき方向性を知る方法である。大小二つの宇宙はひとつの全体の一部であり、したがって本質的に同一の状況にある。根っこは同じなのだ。だから、ある日の易で出た卦は、大宇宙の状況に照応して布置されているはずであり、その人の個人的な状況とも共時的な一致が生じうる。

出典:サトル・ボディのユング心理学

 

これは、「上なるものは下なるもののごとし、下なるものは上なるもののごとし」というエメラルド・タブレットの言葉を説明したような文言です。

 

占星術というのは、天の世界(星の世界)を、「上なる世界」(形而上の世界)として、「その上なる世界」で起こっていることが、私たちがいる世界「下なる世界」に影響を及ぼす、と考える占いの方法です。

たとえば、月と湖を考えてみてください。月が上ってくれば、湖に月が映ります。湖の状態によって、綺麗に月が湖に映る場合もあれば、そうでない場合もあります。

それと似たようなものと私は考えています。

 

ここからは占いというよりは、神秘主義的な話になってなりますが、松村潔先生の本などで、グルジェフの水素の振動数の話がでてきます。

上なる世界のものは、いわゆる波動、振動数が高いもので構成されていると考えられているので、伝わる速度が速いのですが、下なる世界のものは、波動・振動数が低いとされているので、上なる世界で起こったことが少し遅れて下の世界に反映される、というふうに解釈されているようです。

 

f:id:kondatetanaka:20210117104826j:plain