クロノスとカイロス

西洋占星術のホロスコープ読みを中心とした占いのブログ

ヘルマン・ヘッセ「シッダールタ」を読みました。(一如性について)

ヘルマン・ヘッセ、「車輪と下」という名前は聞いたことがあったのですが、初めて作品を読みました。

「シッダールタ」という題名の本を読んだのですが、シッダールタという、仏陀と同じ名前の少年の話です。

占星術明晰夢の研究をしているせいか、それに関係しているだろうと思える文章が、何か所かあって、気になりました。

仏教に関する知識はほとんどないので、書いている内容が不正確かもしれませんが、占星術などの知識をもとに書いてみました。

あと、やはり西洋の人が書いた本のせいか、「愛」というのが最終的な結論になっていました。

気になった部分をとりあえず箇条書きにして、一つ一つ考えていこうと思います。

① 真我(アートマン)と梵(ブラフマン

② 夢の中に真我が住む

③ 時間は存在しない

 

 

 

 ① 真我(アートマン)と梵(ブラフマン

世界の一如性、万物が互いに関連をもつこと、大きなものも小さなものもすべてのものが同じ流れに包括されていること、つまり、原因、生成、死滅という同じ法則に支配されていること、これがあなたの崇高な御教えから明るく輝く出しています。

出典:「シッダールタ」(ヘルマン・ヘッセ

 

本の中では、真我(アートマン梵(ブラフマンというのが時々出ています。

アートマン - Wikipedia

ブラフマン - Wikipedia

 

 もっと深い意味があるのだと思いますが、私なりの理解を簡単にまとめると、真我(個)と梵(宇宙・全体)のような意味です。

 で、真我と梵は一つである(一如性)という考え方がよく出てくるのです。

梵我一如 - Wikipedia

 つまり、個は宇宙全体でもあり、宇宙全体は個でもある、という考え方です。

 

 

上なるものは下なるもののごとく、下なるものは上なるもののごとし

これとよく似た考え方で、西洋占星術には、「下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとくであり」(エメラルド・タブレットという言葉があります。

ja.wikipedia.org

 

これは、上なるもの(星・神々の世界)は下なるもの(現実の世界)のようであり、下なるもの(現実の世界)は上なるもの(星・神々の世界)のようである、という意味です。

多分、言葉の意味自体はわかるけど、内容は理解できない、という方が多いと思います。

 私も最初は何のことなんだろうな、と思っていたのですが、占いを2年、3年とやっているうちにだんだんとこういうことを言ってるんだろうなあ、ということが、ぼんやりとわかってきました。

 

占いとは何なのか、どういう解釈をすべきなのか、というところで、私の知っている限りで、3種類の考え方があるように思えます。

 

Ⅰ 占いは、統計学

Ⅱ 占いは、心理学。自分の無意識を映す鏡のようなもの。

Ⅲ 占いは、人間には見えない世界からのメッセージ

 

私は、ずっとⅡの占いは、自分の心を映す鏡で、出た結果の解釈の仕方で自分の考え方がわかる、というようなものなのかな、とずっと思っていたのですが、最近はⅢの考え方になりました。

 

いろいろな占星術の本によると、占星術というのは、星・神々の世界で今起こっていることを読み解く方法なのだそうです。

その星・神々の世界(目に見えない世界)で起こっていることが、少し時間がたったあとに現象の世界(目に見える世界)に降りてくる、という占いに対する考え方があるのです。

 

個が全体に影響を及ぼし、全体が個に影響を及ぼす

少し違うかもしれませが、個は全体であり、全体は個である、ということは、現象の世界だけの話でも理解できることです。

たとえば、最近のコロナ禍で、旅行業界や飲食業界が大きなダメージを受けています。最初のうちはその業界にだけダメージが大きく出るのですが、その業界は、食品業界、農林漁業の業界、はたまた鉄道、バス、タクシーとつながっていて、そこにも時間がたてば影響がでてきます。

そうすると、鉄道、バスなどの公共交通機関の業界から、さらに自動車産業などの他の業界にも影響が及ぶ、というふうに、どんどんと影響が広がっていく。

また、そこで働いている人たちがローンを返せなくなることで、金融にも影響が及んでいきます。

このように、一つのものは全体とつながっている、また全体が一つの世界にも影響を及ぼす、と解釈することもできます。

 

今日は長文になってしまったので、また②夢の中に住む真我、③時間は存在しないの話も書いていきたいと思います。 

 

文庫 シッダールタ (草思社文庫)

文庫 シッダールタ (草思社文庫)