1月14日に天王星が順行を開始してから、1月31日に水星が逆行を開始するまでの期間は、全惑星が順行する期間になります。
逆行開始時点で、太陽がおよそ水瓶座11度にあるので、現在の水星のある位置(4室)から、IC(天底)をまたいで3室の場所に戻っていくイメージになります。
2021年1月31日のホロスコープ
2021年1月31日0時43分(水星逆行開始時)のホロスコープです。
ファイナル・ディスポジターを見てみると山羊座金星→牡牛座天王星→水瓶座土星のループになっています。
1室に星なしで、OOB天体もありません。
ホロスコープで目立つには、3室に惑星が集中しているところです。
ICにオーブ3度で水星があります。
太陽と火星のスクエア、土星と天王星のスクエアが目立つアスペクトになるかもしれません。
太陽のアスペクト
太陽は水瓶座11度で、牡牛座11度の火星と正確にスクエアを形成しています。
火星とのスクエアのアスペクトは、情熱や攻撃性が悪い形で出てくるという意味に解釈されます。
月のアスペクト
月は乙女座5度、土星(水瓶座6度)とインコンジャクト(150度)、天王星(牡牛座7度)とトライン(120度)の関係になります。
チャート・ルーラーのアスペクト
目立つ惑星とのアスペクトはないのですが、MC(獅子座24度)とインコンジャクト(150度)、水星とセミセクスタイル(30度)の関係にあります。
アセンダントのアスペクト
ディセンダントは牡牛座16度になりますが、近辺に火星があります。(オーブ5度)
ドラゴンヘッドは双子座18度にありますが、アセンダントとは、インコンジャクト(150度)の関係になります。
全体にアスペクトは、スクエア(90度、衝突)とインコンジャクト(150度、かみ合わなさ、不調和)が多いように見えます。
3室のカスプのルーラー
水星の逆行というと、連絡の行き違いや通信の異常などのイメージが強いのです、3室のカスプを見てみると、山羊座19度で、カスプのルーラーは土星(水瓶座6度)ということになります。
この度数のサビアン・シンボルを見てみると、山羊座19度「大きな買い物袋を下げた5歳程度の子供」、水瓶座6度「ミステリー劇の演技者」になります。
水瓶座6度「ミステリー劇の演技者」
「Performer of mystery plays」
水瓶座6度の「ミステリー劇の演技者」というサビアン・シンボルを調べてみると、「仮面をつけて役割を演じる」というような内容の解釈が多いようです。
このサビアンシンボルを、英語で見てみると、「Performer of mystery plays」というものになるようです。さらに、ミステリー劇「mystery plays」を調べていくと、「神秘劇」「聖史劇」という項目がでてきます。
つまり、ミステリー劇というのは、旧約・新約聖書の場面を演じる劇である、ということがわかってきます。
もっと調べてみると、英語のサイトですが、サビアンシンボルについてのサイトがあるみたいです。
ルディアの英語での説明では、「A MASKED FIGURE PERFORMS RITUALISTIC ACTS IN A MYSTERY PLAY」となっていて、翻訳すると、「聖史劇で仮面をつけた人が儀式を演じている」となります。
この中で翻訳が難しいのが、fiureの部分です。主語が「masked figure」なので、マスクをしたフィギュアが演じている(performs)となるのですが、figureは、演者、演じている人物というよりは、人の姿、象徴というような意味でとらえた方がよさそうです。
この特定の演者(人物・個別性)ではなく、その演じられている象徴(原型)に焦点が当てられているところが、いかにも水瓶座らしい感じがします。
英語のサイトには、「原型を通して、トランスパーソナル(超個人的)な意識との関係性を学ぶ」とあります。
このサビアンシンボルがイメージしているのは、演技や儀式を通して原型・象徴が現れる(演じている人ではなく、演じられている象徴、原型に焦点があてられている)という意味に解釈してよさそうです。
さらに掘り下げて考えていくと、「ミステリー劇(聖史劇)」には、あらかじめあらすじや台本があります。もともと聖書に書かれている歴史を演じているわけです。
最近、ボルテスという人の「七つの夜」という講演録を読みました。
その本の中には、「言葉」と「現象」の関係についての話がありました。「言葉」と「現象」という二つのものを考えた時に、「言葉」は「現象」を説明するためにある、つまり、「言葉」は「現象」を解釈するためのものであり、「現象」が先にあり「言葉」はあとにある、と考えがちです。
ただ、このサビアンシンボルになっている「劇」の場合は、あらかじめ話の内容は「台本」「言葉」によって決まっていて、その内容を演技者が演じるわけです。
つまり、まず「言葉」が最初にあり、「現象」はそのあとにある、ということになってきます。この「まず言葉があった」というのは、聖書のヨハネによる福音書の1章1節と同じ内容です。
初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。
形而上学的な意味で、言葉と現象を考えた時、言葉とはイデアや元型、形而上の世界のことを指していて、現象とはこの世界の出来事を指しているのかもしれません。
わかりやすくというと、言葉は運命を意味しており、現象は運命に従って生きている人を意味しているのかもしれない、ということです。
山羊座19度「大きな買い物袋を下げた5歳程度の子供」
次に3室のカスプを見てみると、山羊座19度「大きな買い物袋を下げた5歳程度の子供」となっています。5歳程度の子供が大人が運ぶような大きな買い物袋を運んでいる、というものです。
このサビアン・シンボルは、一般的には「自分には大きすぎると思える課題をこなすことによって、能力が成長する」というような解釈です。
このシンボルを水瓶座6度と同じように、象徴とそれを演じる人という対比に重ね合わせると、この大きなに荷物の持ち主である、本来荷物を運ぶべき大人=原型・もともとの演じられている人、5歳の子供=聖史劇を演じるパフォーマー、と対比することができるように思えます。
ただ、やはり5歳の子供と大きな買い物袋の対比で考えると、ちぐなぐな感じがするのは否めません。
ここが今回の水星逆行の意味をあらわしているのかもしれません。
この3室への星の集中が意味するところは、「仮面をつけた象徴を演じる人(象徴・原型・イデア・あるべき姿・歴史)を通して、大きなこと荷物を運ぶ(超個人的なものとの関係性を学ぶ、本来のあり方を学ぶ)」、「演技者と演技の内容が不釣り合い」という意味になってくるかもしれません。