クロノスとカイロス

西洋占星術のホロスコープ読みを中心とした占いのブログ

2021年4月15日 金星牡牛座入り

今年の金星の動き

4月15日(3時22分)に金星が牡羊座から牡牛座に移動します。
今年の金星の動きを見てみましょう。

1月9日 山羊座
2月1日 水瓶座
2月25日 魚座(エグザルテーション)
3月21日 牡羊座(デトリメント)
4月15日 牡牛座(オウンサイン)
5月9日 双子座
6月2日 蟹座
6月27日 獅子座
7月22日 乙女座(フォール)
8月16日 天秤座(オウンサイン)
9月11日 蠍座(デトリメント)
10月7日 射手座
11月5日 山羊座
12月19日 山羊座で逆行開始

金星は年末には山羊座で逆行を開始します。
この運行を見てみるとわかりますが、金星が一つのサインに滞在するのは、およそ1ヵ月ですが、12月に金星が山羊座で逆行を開始すると、2022年3月まで金星が山羊座に滞在することになります。
およそ4ヶ月間の金星山羊座滞在となります。

 

金星牡牛座イングレス図

では、金星が牡牛座にイングレスした時のホロスコープを見てみましょう。
(2021年4月15日 3時22分 東京・プラシーダス)

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ホロスコープ作成:Star Navigator | ARI 占星学総合研究所

アセンダントは、魚座12度です。
チャート・ルーラーは海王星魚座22度。
1室に海王星、水星(小惑星セレスとコンジャンクション)があります。
火星(双子座25度)は赤緯24度台でOOBになっています。

ファイナル・ディスポジターを見てみると、
① 牡羊座水星と双子座火星のミューチュアル・レセプションの系統
この系統は、牡羊座太陽、牡羊座水星、双子座火星が属しています。

② 牡牛座金星がファイナル・ディスポジターになっている系統
この系統には、牡牛座金星、牡牛座月、牡牛座天王星水瓶座木星水瓶座土星山羊座冥王星が属しています。

③ 魚座海王星が単独で存在する形(エスケープ)

になっています。

品位は、牡羊座太陽(エグザルテーション)、牡牛座月(エグザルテーション)、牡牛座金星(オウンサイン)、水瓶座土星(オウンサイン)、魚座海王星(オウンサイン)になっています。
牡羊座水星と双子座火星がミューチュアル・レセプション(支配星を交換する形)になって、ミクロコスモスをしめす太陽、月、水星、金星がすべて高い品位を獲得しているという特徴があります。
全体として、高い品位を獲得している星が多いホロスコープです。

ホロスコープ全体としては、アセンダント魚座にあって、チャートルーラーも魚座にあることから、魚座が強調されている」と言ってよさそうです。
「チャート・ルーラーで1室にある海王星魚座22度)」、「ミューチュアル・レセプションになっている1室水星(牡羊座21度)とOOB火星(双子座25度)」が目立つ星だといえるでしょう。
また、土星天王星以外の星は20度台にあるのもポイントなのかもしれません。

 

アスペクト

太陽(牡羊座26度)は冥王星山羊座27度・オーブ1度)とスクエア、火星(双子座25度・オーブ1度)とセクスタイルになっています。
月(牡牛座25度)と冥王星はトライン。
アセンダントは、ドラゴンポイントとTスクエアを形成していますが、土星小惑星カイロンが調停する形になっています。

 

金星牡牛座滞在期間のイメージ

金星が牡牛座にイングレスした時のホロスコープでは、魚座海王星に焦点が当たっています。金星の牡牛座期(4月15日~5月9日)は、雰囲気的には優しい、ふわっとした感じのものが感じらる期間になりそうです。
金星は、牡牛座がオウンサインですが、魚座アセンダントのサイン)ではエグザルテーションという最も高い品位を獲得します。
また、海王星は金星の1オクターブ高い惑星と考える見方もあることから、引き続き、魚座海王星と金星」(高次の愛や無償の愛、奉仕)というテーマに焦点があたっていると解釈できます。

海王星、金星に焦点があたると同時に、水星と火星にも焦点があたっています。
双子座火星と牡羊座水星という組み合わせから、「攻撃的な知性」「剣とペン」というイメージができそうです。
火星の双子座イングレス図では、「感情と知性」「顕在意識と潜在意識」のようなものがテーマになっていましたが、「海王星・金星」という軸と「火星と水星」という軸で考えてみると、「高次の愛・無償の愛・無償の奉仕」のようなイメージと「積極的攻撃的、批判的な知性」のようなイメージのコントラストがあると解釈できます。

 

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msandersmusicによるPixabayからの画像

3月後半の12星座占い

3月後半の星の動き

16日に水星が魚座に移動します。
水星は、魚座では、デトリメントとフォールという低い品位(エッセンシャル・ディグニティー)になります。水星の影響力が発揮しづらい場所になるといえます。

水星は1月30日から水瓶座で逆行をはじめ、2月21日に順行に戻っています。
水星は、水瓶座26度29分から水瓶座11度までの場所を逆行していたのですが、その逆行していた場所(シャドウ)を抜けるのが3月14日で、すぐに魚座に入ります。水星が本格的に働き始めるのは、4月4日牡羊座に入ってからになるかもしれません。
太陽・月・ASCが、双子座・乙女座の方に本格的に追い風が吹く時期になりそうです。 

3月20日は太陽が牡羊座入りする「春分」になります。
西洋の占星術では、はじまりの時期になります。太陽は牡羊座では、エグザルテーションという、高い品位を獲得します。
太陽・月・ASCが、獅子座の方に追い風の時期になります。

その次の日(3月21日)には、金星が牡羊座入りします。金星は、牡羊座では、デトリメントという低い品位になります。
太陽・月・ASCが、牡牛座・天秤座の方は、少し調子がでないかもしれません。

 

3月後半の太陽がかかわるアスペクトを見てみると、
17日に冥王星山羊座27度)とセクスタイル、26日に金星(牡羊座6度)とコンジャンクションとなります。 

では、3月後半の12星座占いです。
赤は支配しているハウスに星が滞在していること青はジョイになるハウスに星が滞在していることを表しています。

 

牡羊座

太陽12→1室/水星11→12室/金星12→1室/火星3室木星11室土星11室

木星土星という動きの遅い大きな星が11ハウスに滞在します。これは、11ハウスのテーマ(幸運、楽観、友人、自由、大志など)がこの数か月のテーマになっていることをしめしています。木星は11ハウスでは、ジョイになります。木星は拡大の星であることから、「自由が拡大する」、「楽観的な見方が広がる」と解釈できます。
また、火星が支配する3ハウスに滞在しています。3ハウスのテーマは、通信、コミュニケーション、兄弟姉妹、自己表現、守られた学びなどです。「コミュニケーションが活発なる」「自己表現が意欲的になる」と解釈できます。
太陽と金星のコンジャンクションが1室で起きることから、「自分自身が美しくなる、ダイエットが成功する」「恋愛、結婚などがうまくいく」と解釈できます。

 

牡牛座

太陽11→12室/水星10→11室/金星11→12室/火星2室/木星10室/土星10室

 木星土星が10ハウスにあることから、引き続き仕事、天職、社会的な地位がテーマになる時期です。2月の水瓶座ステリウムの時期には、牡牛座の星の配置はとても厳しいものでしたが、少しずつ緩和され、3月後半には、厳しい印象はうけない状態になっています。
金星が支配する1ハウスに入ることから、「自分だけにわかる密かな楽しみを発見する」「未知の感覚を刺激するような楽しみを見つける」と解釈できます。
12ハウスには「自己犠牲」という意味もあり、「自己犠牲を払ったうえでの成功」という解釈もあります。2月の水瓶座ステリウムでの摩擦から、一転して、そこから成功へ向かうイメージもできます。
金星と太陽とのコンジャンクションが12ハウスで起きることから、12ハウスのテーマ(過去、抑圧、迫害、隠蔽、奉仕、寄付)に焦点があたる動きになりそうです。

 

双子座

太陽10→11室/水星9→10室/金星10→11室/火星1室/木星9室土星9室

木星土星が9室にあります。また、木星は9ハウスを支配する星であることから、9室の木星の意味が大きくなります。9ハウスのテーマは、「神秘主義、哲学、信仰、導き手を必要とする場所、知恵や理解を拡大する場所、巡礼、ヴィジョン」などです。
3ハウスが「近い場所への移動」「内容が確立しているものを学ぶこと」をしめすのに対して、9ハウスは、「遠い場所への移動」(巡礼、命がけの旅)、「内容が確立されていないものを学ぶこと」を意味しています。
太陽星座が双子座の方は、「確立されていないものを導き(ガイド)を受けながら学ぶ」「ここではない遠い場所へいく」ことがテーマになります。
この「遠い場所」は比喩的な意味かもしれず、精神的な意味で遠い場所に行く、とも解釈できます。
太陽と金星のコンジャンクションは11室で起こります。9ハウス木星と11ハウス太陽(金星とコンジャンクション)なので、「大きな自由」「将来の希望となるような場所、ビジョン」などのイメージが持てます。広くて大きなイメージです。

 

蟹座

太陽9→10室/水星8→9室/金星9→10室/火星12室/木星8室/土星8室

木星土星が8ハウスにあるので、「受け継ぐ」「他者と一体化して、それを自分のものにする」ことがテーマになりますが、一方で、2月の星の配置では、「他人とかみ合わない」というものもありました。この二つの事情の中で、バランスをとりながら進むことが課題になっていました。
3月後半では、このかみ合わなさは解消され、太陽と金星は10ハウスでコンジャンクションになります。「ギクシャクしながらも、なんとか他者の協力から得たものが社会での成功に結び付く」「かみ合わないながらもなんとか受け継いだものが、仕事という形で結実する」という解釈ができます。
8ハウスは、ナチュラルハウスでは蠍座の位置になりますが、蠍座の支配星である冥王星と太陽はセクスタイルになることから、「他人から受け継ぐ」「他者と一体化する」ことに引き続き焦点があたりそうです。

 

獅子座 

太陽8→9室/水星7→8室/金星8→9室/火星11室/木星7室/土星7室

木星土星が7ハウスにあり、「他者との対峙」が引き続きテーマになります。
2月は火星が10ハウス(火星にとって自ハウス、「殻を破る」と解釈される)ありました。3月には11ハウスにうつり、「希望、自由」に焦点があたることから、「他者との対峙から、殻を破り、自由を得る」「他者との対峙から、学び希望を得る」というような解釈ができました。
3月後半には、太陽がジョイとなる9ハウスに移動します。また、太陽と金星のコンジャンクションも9ハウスで起こります。
9ハウスは、「遠い場所」「未知の領域」「導きを必要とする場所」や「確立されていないことを学ぶ」ことがテーマになります。
これまでの流れをストーリーで解釈すると、「他者と対峙する」(水瓶座ステリウム)→「殻を破る」(火星10ハウス)→「知恵や理解を拡大する未知の場所、遠い場所へ行く」(太陽9ハウス・金星コンジャンクション)となります。

 

乙女座

太陽7→8室/水星6→7室/金星7→8室/火星10室木星6室/土星6室

水星、木星土星が6ハウスにあり、「実務能力」「雇用関係」「健康問題」が焦点になっていました。6ハウスは水星が支配するハウスであり、2月末に乙女座で満月が起こったことから、2月から3月前半にかけては、乙女座はいわゆる「特別な星の時間」になっていました。
3月後半には、水星は6ハウスから7ハウスに移動しますが、10ハウスに火星があることから、「転職」「社会的な地位」に焦点が当たります。
「実務能力」が認められ、殻を破る形で「社会的地位に結び付く」というようなストーリーが思い浮かびます。
また、太陽と金星のコンジャンクションは8室で起こります。8室は「相続」「生死」などを表すこともありますが、「性的なこと」にも関係が深いとされています。
10室に火星があることから、「男女関係」のイメージもあります。

 

天秤座

太陽6→7室/水星5→6室/金星6→7室/火星9室/木星5室/土星5室

水星、木星土星が5ハウスに位置することから、「楽しみ」「恋愛」「勝負運」「子ども」などに焦点があたる時期になります。
2月から3月前半にかけて、支配するハウスに入る星もジョイになる星もなかったので、どちらというと平穏な時期という解釈ができましたが、3月後半から6室に水星が入ります。
また、太陽と金星が7ハウスでコンジャンクションすることから、まず「結婚」がイメージできます。太陽と金星のコンジャンクションは、「結婚」を意味することが多く、それが7室で起こるからです。
また、2月の水瓶座ステリウムは5ハウス(恋愛などを表す)で起こっていることから、恋愛、結婚などがまずイメージできる星の配置になっています。
水星が6ハウスに入ることから、結婚や出産などを意識して、堅実さな勤め先に変わるなどの解釈ができます。

 

蠍座

太陽5→6室/水星4→5室/金星5→6室/火星8室/木星4室/土星4室

木星土星が4ハウスにあるので、「家」や「家庭」のことに焦点があたりそうです。2月後半から3月半ばにかけて、太陽や金星が5ハウスに位置していました。金星は5ハウスを支配する星で、5ハウスでジョイという状態にもなります。5ハウスは「喜び」「子ども」「創造性」「勝負運」をあらわしています。
4ハウスと5ハウスを絡めて読むと、「子供が生まれる」「家を建てる」「部屋を新しく模様替えする」などのイメージができました。
3月後半には、太陽と金星のコンジャンクションが6ハウスでおきます。「健康」や「雇用」に焦点があたるという解釈になりますが、あるいは「職場」で恋愛の相手を見つける、という解釈もできます。
3月後半は、支配するハウスに入る惑星やジョイになる星がないので、平穏な状態になりそうです。

 

射手座

太陽4→5室/水星3→4室/金星4→5/火星7室/木星3室/土星3室
3ハウスに木星土星があることから、「身近な場所」「コミュニケーション」「通信」「兄弟姉妹」に焦点があたりそうです。
3月前半は太陽、金星が4ハウスにあり、「家庭」「家」「家族」に焦点があたっていましたが、3月後半(21日以降)に、金星が5ハウスに移動します。金星は、5ハウスを支配すると同時に5ハウスでジョイという状態になり、強力です。5ハウスは、「喜び」「子供」「創造性」「投機などの勝負運」を表しています。
さらに、5ハウスで太陽と金星がコンジャンクションになるので、「身近な相手と恋におちる」「通信、テレワーク関連、コミュニケーション関係で勝負運がある」「兄弟姉妹に子供が生まれる」などの解釈ができます。
金星が4ハウスの終盤に滞在するときに、冥王星セクスタイルを形成し、魚座に抜けることになります。金星は魚座ではエグザルテーションという高い品位も獲得しますので、幸運なことが起こりそうな配置といえると思います。

山羊座

太陽3→4室/水星2→3室/金星3→4室/火星6室木星2室土星2室

2ハウスに土星木星があることから、引き続き「財産」「金銭」「収入」「物質的満足」に焦点があたります。
春分の後、太陽は牡羊座に入ります。太陽は牡羊座ではエグザルテーションという高い品を獲得します。また、自ら支配する4ハウスに入ることになります。
さらに、火星は6室でジョイになります。牡羊座と火星に焦点があたっているといえます。火星は、山羊座ではエグザルテーションという高い品位を獲得します。
「太陽の4ハウス・牡羊座入り」と「火星の6ハウス滞在」が重なっているため、「社会的なパワー」「統率力」「組織力」が連想されます。
また、木星は支配するハウスである2ハウスに滞在しています。木星は拡大を意味しているため、財産的な拡大と解釈できます。
「社会的成功と収入の増大」「組織的なパワーと財産的拡大」という解釈ができる星の配置といえます。
3月後半は、12サインのなかで最も星の影響をうけるサインといえます。

 

水瓶座

太陽2→3室/水星1→2室/金星2→3室/火星5室/木星1室/土星1室

1ハウスに木星土星が滞在していますので、「自分を試す成長期」になりそうです。
土星は1ハウスを支配するとされています。同時に、土星水瓶座の支配星でもあるので、土星が目立つ位置にあるといえます。
土星は「教師」「父親」「社会」などを示していますが、水瓶座土星は、社会の不正義をただす、というようなイメージができます。
土星山羊座にあった時は、「組織」「社会」の価値観が中心だったのですが、それが極まると、「組織」「社会」への集中から、「個人」への分散が始まっていきます。
「社会の一員としての自分」から、「個人としての自分」に焦点が当たっていくことになりそうです。
太陽と金星は3ハウスでコンジャンクションになります。「通信」「コミュニケーション」「近い場所」などに幸運の鍵が隠されていることを暗示しています。

 

魚座

太陽1→2室/水星12→1/金星1→2室/火星4室/木星12室/土星12室

12ハウスに木星土星が滞在しますので、「次の時期を見据えた充電期間」のような時期になりそうです。
土星は12ハウスでジョイになります。「心の整理期間」のような意味になりそうです。
また、3月16日から1ハウスに水星に移動します。1ハウスは自分、他者から見た自分を表す場所になります。通常1ハウスにある星は力が強いとされていますが、水星は魚座では、デトリメントとフォールという低い品位になります。
水星と土星がそれぞれジョイになるハウスに入っています。魚座は水のエレメント(感情を表す)で湿ったイメージになりますが、水星・土星は乾いたイメージで、組み合わせとしてはあまりよくないイメージです。
自分の感情と社会の流れがあまりうまく噛み合わないことがあるかもしれません。

 

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2021年4月12日 牡羊座23度・新月のホロスコープ

4月12日には、牡羊座満月を迎えます。

前回の水星の牡羊座入りの記事でも書いたのですが、2021年に入ってからの新月は、すべてステリウムの中で起きています。
振り返ってみてみると、

1月 山羊座新月 太陽・月金星冥王星
2月 水瓶座新月 太陽・月水星金星木星土星
3月 魚座新月  太陽・月金星海王星
4月 牡羊座新月 太陽・月水星金星

という形で、太陽と月以外に、同じサインに星が2つ以上入っている入っているのが特徴です。
4月12日新月ホロスコープでも、水星と金星が牡羊座に入っています。
太陽、月、水星、金星というのは、地球より内側の星という点で共通しています。
地球より内側の月、水星、金星は、ミクロコスモスを表していて、火星より外側の星はマクロコスモスを表しているという神秘主義的な考え方がありますので、ご紹介しようと思います。

ルドルフ・シュタイナーは、金星はミクロコスモスへの誘い、火星はマクロコスモスへの誘いと説明しています。朝目覚めたときに、私たちは自分の体と同化します。身体には感覚が備わっており、この感覚を通して、私たちは目覚めた後のこの世界を見たり、触ったり、味わったりします。

シュタイナーの説明によると、この感覚を通して見ることのできる小さな世界、ミクロコスモスへと金星が誘導し、この中で水星が夢見、月が行動する役割であるとしています。ミクロコスモスの中で、さまざまな可能性を探求し、考えていくのは水星ですから、これをミクロ世界において夢見とみなしたのです。

出典:「火星占星術講座」松村潔著

常に、水星は太陽の28度以内に、金星は太陽の46度以内にあるので、これらの星が太陽の近くにあるのは珍しいことではありません。
しかし、この1月から4月の新月と同じサインにいる星を見てみると、水星は逆行の影響もあって、2月と4月に新月と同じサインに滞在しているの対して、金星はずっと新月と同じサインにあります。
「金星はミクロコスモスへの誘い」というシュタイナーの言葉を少し思い出させるような星の配置といえるかもしれません。

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では、新月ホロスコープを見てみましょう。

(2021年4月12日 11時31分 牡羊座満月のホロスコープ

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ホロスコープ作成:Star Navigator | ARI 占星学総合研究所

新月牡羊座23度です。
ASC(アセンダント)は、獅子座1度
チャートルーラーは太陽で、牡羊座23度です。
1室に星はありませんが、火星が赤緯24度台でOOBになっています。

ぱっとみると、新月がMC(天頂)付近で起こっているなという印象を持つと思います。MCは牡羊座20度です。

ファイナル・ディスポジターを見てみると、牡羊座水星と双子座火星がミューチュアル・レセプションの形になっていて、魚座海王星だけがエスケープする形になっています。

牡羊座23度での新月、MC(牡羊座20度)付近での新月、火星がOOB天体になっている、水星と火星がミューチュアル・レセプションという特徴があり、「火星」が強調されれているホロスコープと言っていいと思います。

次にアスペクトを見てみましょう。

太陽・月のアスペクト

新月なので、太陽と月は牡羊座23度でコンジャンクションです。
新月と双子座24度の火星とセクスタイル(オーブ1度)
新月水瓶座26度木星セクスタイル(オーブ3度)
になっています。
この形は、いわゆる「小三角形」といわれるものです。

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新月と影響力が強い火星がセクスタイルアスペクトを形成しています。

アスペクトの意味を見てみると、太陽・月に火星がエネルギーを注ぐ形になっていて、「公的にも私的にもエネルギーにあふれる」という意味になります。
また、新月木星とも、セクスタイルアスペクトを形成していているので、「公的な活動が広がる」、「楽観的な気分が広がる」というイメージになります。
全体的に「エネルギーがあふれる」「活動が広がる」「楽観的」という解釈が成り立つホロスコープです。

チャート・ルーラーのアスペクト

火星は新月セクスタイルを形成していますが、一方で木星ともトライン(オーブ2度)を形成しています。意味としては、「社会へのチャレンジがスムーズにすすむ」というものがあるようです。
「拡大」の木星と「エネルギー」の火星が、トラインという調和的なアスペクトを形成します。

「火星」と「木星」のアスペクト!~占星術的な意味~ | 魔女っ子の12星座占い

 

もう一つのチャート・ルーラーの水星(牡羊座15度)は、水瓶座13度の土星とオーブ2度で、セクスタイルを形成しています。
水星と土星は相性の良い星とされていて、それも調和的な角度を形成します。
アスペクトの意味としては、「要求されて発揮される専門的な技術」というものもあるようです。

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ASC(アセンダント)には、目立ったアスペクトはありませんが、ホロスコープ全体として、調和的なアスペクトが多い印象です。

「要求されて専門的な技術や実務能力が発揮される」、「公的にも私的にもエネルギーにあふれて、活動の場が広がる」と読めるホロスコープです。

 

 

 

2021年4月4日 水星・牡羊座入り

水星は3月16日に水瓶座から魚座に移動しますが、4月4日には魚座から牡羊座に移動します。

水星は魚座では、デトリメント、フォールという低い品位となってしまいますが、
魚座滞在期間は、およそ18日程度で牡羊座に移動することになります。

では、水星の牡羊座イングレス図を見てみましょう。
2020年4月4日12時38分(東京・プラシーダス)のホロスコープです。

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ホロスコープ作成:Star Navigator | ARI 占星学総合研究所

 

ASC(アセンダント)は、獅子座9度
チャート・ルーラーは、太陽で、牡羊座15度です。
1室に星はありませんが、火星が赤緯24度、月が赤緯-25度でOOBです。

ファイナル・ディスポジターを見てみると、牡羊座水星と双子座火星がミューチュアル・レセプションの形になっており、魚座海王星エスケープする形になっています。

小惑星なしのホロスコープを見てみましょう。

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ホロスコープ作成:http://www.horoscope-tarot.net/

ホロスコープの特徴としては、前回の記事でも書いたのですが、一部分への星の集中です。今回は、山羊座12度の月から双子座19度の火星に挟まれる形の位置に星があることがわかります。月と火星が両方ともOOBです。

特に、7室から9室(西半球・南半球)に6つの星が集まっています。
西半球は、DES(ディセンダント)側なので、自分からみた相手、社会、世界を表しています。また、南半球は、社会の中での自分を表している場所になるので、「自分や主観」ではなく、「社会、世界」の部分に星が集まっていることになります。

2020年は、山羊座ステリウム(木星土星冥王星)の年でしたが、2021年2月は水瓶座ステリウム(太陽、月、水星、金星、木星土星の最大6星)、3月は魚座ステリウム(太陽、水星、金星、海王星の最大4星)、4月は牡羊座への星の集中(太陽、月、水星、金星)が起こります。

 

アスペクトを見てみると、太陽(牡羊座15度)はオーブ2度で金星とコンジャンクション
月は、オーブ2度でアセンダントとインコンジャクト、オーブ2度で天王星とトリアン。

ASCはオーブ3度で土星オポジションです、オーブ2度で天王星とスクエアです。

 

3月のホロスコープのイメージとしては、「知性と感情」、「知性と直感」、「高次のスピリチュアルな愛、自己犠牲、無償の奉仕」というものが多かったのですが、その流れから考えていくと、「個人の意識の変革と社会の関係」(月ー天王星、ASCー土星、ASCー天王星)、「個人の幸福追求と社会」(太陽ー金星、ASCー土星がイメージでき、「個人の感情と社会」というところに焦点があたっていると解釈できそうです。

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Gerd AltmannによるPixabayからの画像 

 

2021年に入ってからの新月の特徴

牡羊座に4つの星が集中する期間は、月が牡羊座に入る4月10日(15時11分)から4月13日(2時44分)までになります。
4月の新月は、12日の11時31分で、牡羊座への星の集中の中で起こります。

今年に入ってから、星が山羊座から魚座牡羊座にの部分に集中しています。
なので、今年に入ってからの新月を見てみると、すべて星の集中の中で新月が起こっていることがわかります。

1月 山羊座新月 太陽・月・金星・冥王星
2月 水瓶座新月 太陽・月・水星・金星・木星土星
3月 魚座新月  太陽・月・金星・海王星
4月 牡羊座新月 太陽・月・水星・金星

2020年12月の射手座新月では、太陽・月・冥王星が射手座にいる状態での新月でしたが、この時の新月は日食を伴うものでした。

流れとしては、射手座新月(日食)、水瓶座1度のグレート・コンジャンクション山羊座新月4星、水瓶座新月6星、魚座4星、牡羊座4星となっており、「新しい時代の到来を知らせている」と解釈することもできます。

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Christoph SchützによるPixabayからの画像

 

2021年4月の星の動き

4月1日時点での惑星の位置

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ホロスコープは、2021年4月1日・東京・プラシーダスで作成しました。)

太陽 牡羊座(エグザルテーション)
水星 魚座 (デトリメント・フォール)
金星 牡羊座(デトリメント)
火星 双子座
木星 水瓶座
土星 水瓶座(オウンサイン)
天王星 牡牛座
海王星 魚座(オウンサイン)
冥王星 山羊座

品位の順は、エグザルテーション>ドミサイル(オウンサイン)>デトリメント>フォールになります。

4月1日時点では、逆行している星がありません。
4月1日には、太陽、金星が牡羊座に滞在しているので、火のエレメントに星がある状態ですが、4月半ばに両方の星が牡羊座から牡牛座に移動し、水星も約2週間で牡羊座を通り抜けるため、再度、火のエレメントに星がない状態になります。
4月23日に火星が蟹座に入ります。火星の品位はフォール(一番低い品位)になります。
4月28日に冥王星が逆行を始めます。全天体順行の期間が終わります。

4月の星の動き

4月 4日 12時38分 水星・牡羊座入り
4月 4日 19時 2分 下弦の月
4月 4日 22時35分 清明二十四節気
4月12日 11時31分 牡羊座23度・新月
4月15日  3時22分 金星・牡牛座入り
4月19日 19時27分 水星・牡牛座入り 
4月20日  5時33分 太陽・牡牛座入り(穀雨二十四節気
4月20日 15時59分 上弦の月
4月23日 20時51分 火星・蟹座入り
4月27日 12時32分 蠍座8度・満月
4月28日  4時55分 冥王星・逆行開始(山羊座26度48分から)

作成の際に参考にさせていただいたサイト
天体運行リスト~目次~ – 葉月綾乃の占星術ブログ
国立天文台 天文情報センター 暦計算室
ホロスコープを無料で作成!初心者でも簡単♪運勢も診断できる。
ありがとうございます。

 

4月の星の動きの特徴

① 水星が魚座から抜ける

水星は魚座では、品位(エッセンシャル・ディグニティー)が低い状態になりますが、4月4日に牡羊座に移動します。
1月31日~2月21水瓶座での逆行終了、3月16日魚座入り、と水星には、あまりよい動きではなかったですが、その時期が終わります。
太陽、月、ASC(アセンダント)が、双子座、乙女座の方、水星が1室にある方は本調子を取り戻せる時期になります。

② 金星、水星、太陽が牡牛座に入る

4月15日には金星が牡牛座(オウンサイン)に入り、19日には水星、20日には太陽がそれぞれ牡牛座に移動します。
3月の半ばから、4月の半ばにかけて、太陽、水星、金星が牡羊座に滞在するため、火のエレメントに星がある状態になっていましたが、3つの星が牡牛座に移動することで、再度、火のエレメントに星がない状態になります。

不動宮(フィクスド・サイン:牡牛座、獅子座、蠍座水瓶座)に、6つの星(太陽、水星、金星、木星土星天王星)が滞在します。

太陽、水星、金星は、それぞれ牡牛座天王星オポジションを形成した後、土星とスクエアを形成します。
今年の星の動きの特徴である、土星天王星のスクエアを連想とさせる動きです。
2021年は、土星天王星のスクエアが3回起きますが、天王星が品位が低く、土星が品位が高い状態です。
通常、外側の惑星が内側の惑星に影響を与えると考えるので、天王星土星に影響を与える、と解釈するのですが、土星天王星とも不動宮にあること、土星天王星の品位の違いから、天王星が何度も土星に挑戦するというイメージが思い浮かびます。
「とても固い岩を何回も叩きつけて割る」という感じです。
石井ゆかり先生の「筋トレ週報」では、エクスカリバー(岩から剣を抜く)と表現されていました。

③ 全天体順行がおわる

2月21日に水星が順行に転じてから、全天体順行でしたが、4月28日に冥王星が逆行を始めます。全天体順行の時期が終わります。

 

星の偏りが極まり、そこからまた分散する

ホロスコープを定期的に作っていると、今年の初めぐらいから、星の位置が一カ所に固まっているな、という印象を持ちます。

(2020年12月22日3時21分 グレート・コンジャンクション

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これは、2020年12月22日のグレート・コンジャンクションホロスコープです。
このホロスコープでも、星が射手座8度から牡牛座7度の範囲(149度の範囲)に固まっています。

さらに見ていくと、1月9日の金星・山羊座入り(イングレス図)では、山羊座1度から牡牛座7度の間(127度の範囲)にあります。※動きが大きい月は除いて見ています。

(2021年1月9日0時39分 金星・山羊座イングレス)

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金星と冥王星山羊座コンジャンクション時のホロスコープでは、山羊座26度の金星・冥王星から、牡牛座11度の火星の間(104度の範囲)に月以外の9つの星が集まっている。

(2021年1月29日1時15分 金星・冥王星コンジャンクション

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 ここからは、火星が天王星を追い抜いていく形になり、火星ー冥王星の間に星が入る、という形に変わっていきます。

この流れから、1月29日前後に星が最も集中し、そこからまた星のある範囲が広がる、という流れが起きています。

牡牛座天王星ー射手座・山羊座金星の間に星が挟まれる形から、牡牛座火星ー山羊座冥王星の間に星が挟まれる形に変化も起きています。

 

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MasterTuxによるPixabayからの画像