2は女教皇です。
通常、女性は教皇になれないのですが、歴史的にモチーフとされる人物がいるようです。13世紀ごろに、イエス・キリストは女性だったとする宗派があり、その宗派の教祖であったマンフリーダという女性がモチーフ、とする説もあります。
タロットの元のビスコンティー家(ミラノ公)が、このマンフリーダという女性をローマ・カトリックの異端審問から護った、というつながりもあるようです。
中世のヨーロッパは、ローマ・カトリック(西ローマ教会)と西ローマ帝国(東西フランク、イタリアなど)を支配する諸侯との対立の歴史があるようで、そのあたりも知っていると面白いのかもしれません。
女神には、大地や多産を象徴する地母神(母)のようなイメージのものと、巫女や神秘的なものを象徴する処女神(娘)のようなイメージのものがありますが、どらかというと処女神のようなイメージのカードといえます。
① 「J」と「B]とかかれた白と黒の柱
これは、聖書に記述のあるソロモンの神殿の柱を表しています。
聖書(列王記)には、「J」ヤキンの柱は、「主が固く建てる」という意味で、白いのは陽が当たる南にあったからされています。
一方で、「B」ボアズの柱は、「力をもって」という意味で、黒いのは、陽が当たらない北にあったからとされています。
柱の意味としては、「永続と能力」「英知と能力」という意味に解釈できます。
タロットの本によっては、「神の峻厳と慈愛」を表していると書かれているものもあります。
「白と黒」の柱は、陰陽、男女、光と闇、という対立する二つの要素を表しているとも解釈できます。この二つの対立する二つの要素が結合する、というモチーフは錬金術などにもみられます。
この柱は、ソロモンの神殿の柱であることから、女教皇が神秘の知恵の守護者であることを示しています。
② 太陽と三日月の形の冠
この冠は、エジプトの神であるイシスやハトホルの冠をモチーフにしているという説もあります。
これは、二つの三日月の形、真ん中に太陽という形です。
wikipediaでは、「頭の部分が牛の人間」について書かれていて、ギリシャ神話に登場するミノタウルスを思い起こさせます。
牛は、古代では農耕にも用いられる貴重な動物でした。
③ 神殿の奥にあるザクロ
ザクロは多産と繁栄の象徴と考えられています。
④ 足元にある三日月と水のような服
月は、一般的には女性性の象徴とされています。
占星術では、個人的な感情、幼いころ、満ちては欠ける移り変わるもの、という解釈があります。
月の周りの服も、水の流れのような模様になっており、水のエレメントと関係がありそうです。
4元素のうち、水・土は女性性を表していて、「感情」を意味していることもあります。
⑤ 手にTORAを持っている
TORAとはモーセ五書と言われる旧約聖書のことを示しています。